綾小路流(読み)あやのこうじりゅう

精選版 日本国語大辞典 「綾小路流」の意味・読み・例文・類語

あやのこうじ‐りゅうあやのこうぢリウ【綾小路流】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 歌披講(うたひこう)作法の一流派綾小路家に伝わるもの。宮中御歌会で用いられる。
  3. 郢曲(えいきょく)の歌い方の流派。今日まで続いている唯一の歌い方で、綾小路家に伝わる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「綾小路流」の意味・わかりやすい解説

綾小路流
あやのこうじりゅう

宮廷歌謡 (朗詠,催馬楽,今様,披講など) の一流派名。歌謡の流派として古くからあった源家,藤家の2流のうちの源家の流儀を二条家より受継ぎ,源雅信の子孫にあたる信有を始祖とする。『郢曲 (えいきょく) 相承次第』を著わした敦有,『梁塵愚案抄』の有俊,『綾小路俊量記』の俊量らを輩出し,源家流の伝承に努めたが,明治時代にいたって廃絶,その後は大原家に伝えられた。

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世界大百科事典(旧版)内の綾小路流の言及

【今様】より

…貴族社会に取り入れられた今様は,殿上の遊宴である淵酔などでよく歌われるようになり,郢曲(えいきよく)伝承の藤家と源家に伝えられた。藤家は敦家の曾孫の代に楊梅,二条の二流派に分かれ,源家は後白河法皇と交流のあった源資賢の子孫が綾小路(あやのこうじ)流を興したため,それぞれ独自の伝承が行われたと考えられるが,現在は綾小路家の系統の《綾小路俊量卿記》(《五節間郢曲事》)や《朗詠九十首抄》に付された譜によって《霊山深山(りようぜんみやま)》《蓬萊山》など数曲が伝えられるにすぎない。《梁塵秘抄》の今様歌謡は集大成されると同時に衰微の道をたどったと思われる。…

※「綾小路流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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