緋衣(読み)ヒエ

デジタル大辞泉 「緋衣」の意味・読み・例文・類語

ひ‐え【×衣】

緋色袈裟けさまたは法衣。緋のころも

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「緋衣」の意味・読み・例文・類語

あけ‐ごろも【緋衣】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 緋色(ひいろ)の袍(ほう)五位の人が着る束帯用の上衣。あけのころも。転じて、五位の異称
    1. [初出の実例]「年のうち五位の上下をして正月に四位をして侍る悦び遣すとて、中宮亮重家、あけ衣色をそへにし紫の今ひとしほやまして嬉しき」(出典:頼政集(1178‐80頃)下)
  2. [ 2 ] 同音の繰り返しで「あけ」にかかる。
    1. [初出の実例]「むばたまのこよひばかりぞあけ衣明けなば人をよそにこそ見め〈藤原兼輔〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)雑一・一一一六)

ひ‐い【緋衣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令制服制で、四位(深緋色)・五位(浅緋色)の朝服の色。
    1. [初出の実例]「賜文山従五位下告身、即時着緋衣、観者栄之」(出典日本三代実録‐貞観九年(867)四月四日)
  3. 緋色の衣服。赤い衣服。
    1. [初出の実例]「緋衣の兵卒整列して礼式をなす」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉二)
    2. [その他の文献]〔新唐書‐薛苹伝〕

ひ‐え【緋衣】

  1. 〘 名詞 〙 緋色の袈裟または法衣。緋のころも。
    1. [初出の実例]「緋衣(ヒヱ)木蘭色(もくらんしき)払子(ほっす)も心許なけれど」(出典:俳諧・本朝文選(1706)四・解類・藪医者解〈汶村〉)

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