緋色(読み)ヒイロ

デジタル大辞泉 「緋色」の意味・読み・例文・類語

ひ‐いろ【×緋色】

濃く明るい赤色深紅色。緋。
銅器につける赤く鮮やかなとび色。
[類語]真っ赤赤色せきしょく紅色こうしょくくれないべに真紅しんく鮮紅せんこうしゅあけあかね薔薇ばら小豆あずき臙脂えんじ暗紅あんこう唐紅からくれないレッドスカーレットバーミリオンマゼンタローズワインレッド

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精選版 日本国語大辞典 「緋色」の意味・読み・例文・類語

ひ‐いろ【緋色】

  1. 〘 名詞 〙
  2. (ひ)の色。〔書言字考節用集(1717)〕
  3. 銅器につける赤く鮮やかな鳶(とび)色。

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色名がわかる辞典 「緋色」の解説

ひいろ【緋色】

色名の一つ。やや黄色みのある鮮やかなで、平安時代から用いられた伝統色名。『延喜式えんぎしき』ではあかね紫根しこんで染めた色を深こき緋とし、に次ぐ官位に用いた。その次の官位が茜だけで染めた浅うす緋となる。また茜染の薄い色をそひといい、これは浅緋よりも下の官位に用いられた。一方、茜だけで染めた色には茜色もある。JISの色彩規格ではこの茜色を「こい赤」とし、緋色は採用していない。一般的に、それぞれを区別する場合は茜色を「やや暗い赤」のイメージ、緋色を「鮮やかな赤」のイメージとする。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「緋色」の意味・わかりやすい解説

緋色
ひいろ

色名の一つ。赤の濃い色。「あけ」ともいわれる。茜(あかね)で染めた濃い赤で、『延喜式(えんぎしき)』によると、深(ふか)緋は茜と紫根(しこん)、浅(あさ)緋は茜で染めるとしている。近世以降、紅(くれない)染めの黄色みのある鮮やかな赤を火色(ひいろ)の赤と混同して、緋とよぶようになった。そこでこれを古代の緋に対して、紅緋(べにひ)ともいっている。また、中国の伝説にある酒好きの猩々(しょうじょう)の顔色から、黒みを帯びた鮮やかな赤を猩々緋とよんだ。古代に、位を示す服色の当色(とうじき)として、孝徳(こうとく)天皇の大化(たいか)3年(647)に錦位(きんい)を真緋(あけ)と定め、持統(じとう)天皇の4年(690)に直位(じきい)を緋とした。また、養老(ようろう)の衣服令(りょう)で、四位が深緋、五位が浅緋とした。平安時代になると、深浅の区別がなくなり、四、五位の者は深緋を用いたが、後期以降、四位は黒を用い、五位のみ緋を用いた。

[高田倭男]

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