日本大百科全書(ニッポニカ) 「総合ビタミン剤」の意味・わかりやすい解説
総合ビタミン剤
そうごうびたみんざい
栄養剤の一種で、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、E、水溶性ビタミンであるビタミンB1またはその誘導体、ビタミンB2、B6、B12、葉酸、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミドなどのビタミンB群、ビタミンCを配合した製剤。一つの製剤中に必要とするビタミンすべてを含んでいる。これにさらにミネラルを配合したもの、アミノ酸を配合したものが一般用薬として市販されている。病中・病後、激しい肉体的・精神的労働、スポーツ、高温などの厳しい環境での作業時、妊娠・産褥(さんじょく)・授乳期の栄養補給、幼・小児の発育促進、慢性下痢・偏食などによるビタミン不足、各種ビタミン欠乏症に用いられる。また、経静脈栄養法(中心静脈栄養法)で用いられる高カロリー輸液製剤に配合して用いる注射剤もある。
[幸保文治]