縮緬本(読み)チリメンボン

デジタル大辞泉 「縮緬本」の意味・読み・例文・類語

ちりめん‐ぼん【×緬本】

木版多色刷りした和紙に特殊な加工しわを作り、縮緬のような手触りをもたせ、和綴じにした絵本長谷川武次郎が考案し、明治18年(1885)弘文社より刊行開始。日本文化を欧米に紹介する目的で作られたため、文章欧文で、題材桃太郎など日本の昔話が多い。

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関連語 名詞

精選版 日本国語大辞典 「縮緬本」の意味・読み・例文・類語

ちりめん‐ぼん【縮緬本】

  1. 〘 名詞 〙 印刷した和紙をちりめん仕立てに加工(縮緬紙)した後、和綴じ製本したもの。明治中頃から昭和初期にかけて出版された、欧米諸外国人に日本文化を紹介する目的で製作された本。日本の昔噺や和歌、日本の風俗習慣などが題材とされ、英語他いろいろな言語の翻訳版が刊行されている。

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世界大百科事典(旧版)内の縮緬本の言及

【絵本】より

…訳者のうちにヘボン,チェンバレンがおり,のちに小泉八雲(L.ハーン)も加わった。これが俗に〈ちりめん本〉と呼ばれるものである。〈お伽のおじさん〉と呼ばれた巌谷小波(いわやさざなみ)は,長谷川本を受け継いで《日本昔噺シリーズ》(1894)を出したほか,《お伽画帖》(1908),さらに洋装本35冊の《日本一ノ画噺》(1911‐15)に発展させた。…

※「縮緬本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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