置舞台(読み)おきぶたい

精選版 日本国語大辞典 「置舞台」の意味・読み・例文・類語

おき‐ぶたい【置舞台】

〘名〙
舞楽舞台に敷き置かれ、この上で舞われる高さ四寸(約一二センチメートル)、一丈八尺(約五・四メートル)四方の舞台。
歌舞伎で、時代物や舞踊などを演ずるとき、舞台の上に敷く台。俳優の足の動きをなめらかにしたり、足拍子の響きをよくするためのもの。高さ四寸(約一二センチメートル)、幅三尺(九〇センチメートル)、長さ一丈(三メートル)または一丈二尺(三・六メートル)の長方形のひのき板を本舞台花道に敷きつめる。所作舞台。敷き舞台。
※歌舞伎・勧進帳(1840)「本舞台、花道とも置舞台を敷きつめ、向ふ、松を描きたる鏡板

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デジタル大辞泉 「置舞台」の意味・読み・例文・類語

おき‐ぶたい【置(き)舞台】

所作しょさ舞台
しき舞台1

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の置舞台の言及

【大道具】より

…その後,舞台へ切穴をあけて人物や道具を上下させるセリの機構をはじめ,道具の一部を綱で引っ張って前後左右に出したり引っ込めたりする〈引(ひき)道具〉や,壁,風景などの張物の一部を四角に切って中央に軸を入れ,回転させて人物を瞬時に出没させる〈田楽(でんがく)返し〉,舞台装置全体を前後に半回転させて場面を転換する〈がんどう返し〉などが考案された。文化・文政期(1804‐30)には怪談狂言の流行につれて変化に富んだ仕掛物がくふうされ,天保期(1830‐44)には舞踊劇や様式的な古典劇で舞台に敷く〈置(おき)舞台〉が始められている。 一方,歌舞伎の発達にともなって演出に基本的な型ができてくると,舞台の構造にも一定の様式が生まれ,大道具でも一定の高さ,長さ,幅,柱の太さ,壁・襖の色彩と模様など,何にでも利用できる道具がくふうされ劇場に常備するようになった。…

【歌舞伎】より

…名称の由来は〈いさり火〉に似たからというが,不詳である。 置舞台(おきぶたい)大道具で,舞台の上に敷きつめる檜板製の二重舞台のこと。舞踊や様式的な時代物などで使う。…

※「置舞台」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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