耳朶(読み)ミミタブ

デジタル大辞泉 「耳朶」の意味・読み・例文・類語

みみ‐たぶ【耳×朶/耳×埵】

[名・形動]
耳の下に垂れ下がったやわらかな部分。じだ。みみたぼ。みみたび。
1厚いのを福相とする俗説から》福運があること。また、そのさま。
「ちっと―な当りがあるから」〈逍遥当世書生気質

みみ‐たぼ【耳×朶/耳×埵】

みみたぶ」の音変化。
「―が火の如くかっと真紅まっかになり」〈円朝怪談牡丹灯籠

じ‐だ【耳×朶】

みみたぶ。
みみ。
「糸の音が再び落ちつきかけた―に響く」〈漱石幻影の盾〉

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精選版 日本国語大辞典 「耳朶」の意味・読み・例文・類語

みみ‐たぶ【耳朶・耳埵】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 耳(耳介)の下部の垂れ下がった肉。じだ。みみだれ。みみたびら。みみたぶら。みみたぼ。みみたび。みみったぶ。
    1. [初出の実例]「果報の備はる耳朶(ミミタブ)の大きさ」(出典浄瑠璃・三荘太夫五人嬢(1727)四)
  3. ( 形動 ) ( の厚いのは福の相という俗説から ) 福運。幸運。利益。もうけ。また、耳よりなこと。また、そのさま。みみったぶ。
    1. [初出の実例]「ちっと耳たぶな当りがあるから」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一五)

じ‐だ【耳朶】

  1. 〘 名詞 〙
  2. みみたぶ。
    1. [初出の実例]「撫州曹山智炬禅師僧問、和尚如何、曰、風吹耳朶」(出典:五燈会元)
  3. ( 転じて ) 耳。
    1. [初出の実例]「一千の雲水のなかに、聞著する耳垜なし」(出典:正法眼蔵(1231‐53)仏道)
    2. 「糸の音が再び落ちつきかけた耳朶に響く」(出典:幻影の盾(1905)〈夏目漱石〉)
    3. [その他の文献]〔水滸伝‐第四回〕

みみ‐たぶら【耳朶】

  1. 〘 名詞 〙みみたぶ(耳朶)
    1. [初出の実例]「垂珠(ミミタブラ)」(出典:俳諧・反故集(1696)下)

みみ‐たぼ【耳朶・耳埵】

  1. 〘 名詞 〙 「みみたぶ(耳朶)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「赤袷先耳たほをほめてから」(出典:俳諧・八番日記‐文政四年(1821)五月)

みみ‐たび【耳朶・耳埵】

  1. 〘 名詞 〙みみたぶ(耳朶)〔十巻本和名抄(934頃)〕

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普及版 字通 「耳朶」の読み・字形・画数・意味

【耳朶】じだ

耳たぶ。

字通「耳」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「耳朶」の意味・わかりやすい解説

耳朶
みみたぶ

耳垂」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の耳朶の言及

【耳】より

…クジラ類のこのような特殊な耳の構造が何を意味するのか十分明らかになっていない。また哺乳類では,音の通路である外耳道よりさらに外側に,軟骨性骨格をもつ複雑な形の耳介(耳翼(じよく),耳殻(みみがら),耳朶(じだ)ともいう)が発達し,集音装置として機能する。哺乳類の多くはいくつかの耳介筋によって耳介の向きを変えることができるが,霊長類のようにふつう動かすことのできないグループも少なくない。…

※「耳朶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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