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聖書釈義と聖書解釈学 せいしょしゃくぎとせいしょかいしゃくがくBiblical exegesis and hermeneutics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

聖書釈義と聖書解釈学
せいしょしゃくぎとせいしょかいしゃくがく
Biblical exegesis and hermeneutics

聖書の解釈を主題とするキリスト教神学の一部門。聖書解釈学は聖書解釈の諸原理と方法を定義し,解釈に理論的基礎を与える学であり,釈義はそれら諸原理の適用を主題とする。両者は歴史的にも実践的にも不可分である。事実,古代,中世において両者は明確に区別されなかった。聖書解釈学の自覚的な営みは,近世になってから始められた。この学問は,初期のキリスト教会時代,ユダヤ教の聖典解釈の影響下に発達し,キリスト教の正統性の確立に大きな貢献を果した。キリスト教は単に聖書の教理上の解明だけでなく教会制度全般や信者の具体的な生活についても聖書的意味を明らかにし,これを実際に適用してきたので,キリスト教の全歴史は,聖書釈義と聖書解釈学の歴史であるともいえる。古代においては,比喩的,霊的解釈法が支配的であったが (特にアレクサンドリア学派) ,原意の解明に力を注ぐことも行われた (特にアンチオキア学派) 。聖書解釈の歴史上重要な人々としては,ギリシア教父ではオリゲネスやアレクサンドリアのクレメンス,テオドレトスやヨハネス・クリュソストモス (アンチオキア学派) ら,ラテン教父ではヒエロニムスやアウグスチヌスら,中世では大グレゴリウス,アンセルムス,トマス・アクィナスらである。ルター,カルバンらに代表される宗教改革は,この歴史に新局面を開き,人文主義の影響によって方法論に文献学的,歴史学的改訂が加えられ,それ以後の方法論に大きな影響を与えた。 17世紀には文献学的,歴史学的批判研究の先駆者としてリヒアルト・シモンがあり,19世紀には F.D.E.シュライエルマッハーによる言語表現に関する解釈学的考察が聖書解釈学に与えた示唆は大きい。また 19~20世紀には歴史的,言語学的研究が長足の進歩をとげ,聖書解釈にとり無視できないものとなった (J.ウェルハウゼン,A.ダイスマン,A.フォン・ハルナックら) 。 20世紀に入ってから新たな神学的立場から聖書解釈学と釈義に対する問題提起がなされ,基本的な神学上の争点との関連で議論が広く行われた。 K.バルト,A.シュバイツァー,R.ブルトマンらが著名である。

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