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肺化膿症 はいかのうしょうsuppurative diseases of the lung

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

肺化膿症
はいかのうしょう
suppurative diseases of the lung

肺の化膿性炎症。かつては肺壊疽肺膿瘍が区別されていたが,最近では肺化膿症に一括されている。種々の化膿菌感染による。多くは肺炎など肺の疾患に続発するが,他器官から血行感染することもある。おもな症状は発熱,咳,多量の痰などである。菌種に応じた抗生物質による化学療法により,重症例は著しく減少した。

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デジタル大辞泉の解説

はいかのう‐しょう〔ハイクワノウシヤウ〕【肺化×膿症】

肺が細菌の感染によって化膿したり壊死(えし)したりする病気。肺癌(はいがん)に合併して起こることが多く、高熱悪寒・咳(せき)・痰(たん)などの症状がみられる。

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世界大百科事典 第2版の解説

はいかのうしょう【肺化膿症 pulmonary suppuration】

肺の化膿性炎症で,肺組織の破壊壊死により膿瘍が形成され,多くの場合水平面をもつ空洞ができる疾患をいう。肺胞内の炎症性滲出のみで肺組織の破壊がみられない点で,肺炎とは区別されている。しかし,ブドウ球菌もしくは肺炎杆菌による肺炎のように,肺実質の破壊傾向があり膿瘍をつくることもしばしばみられる場合,両者の区別は必ずしも明確ではない。従来は好気性菌感染による肺膿瘍lung abscessと,嫌気性菌感染による肺壊疽(はいえそ)lung gangreneの二つに区別したが,混合感染例も多く両者を判然と区別するのは困難なこともあり,両者を総括して肺化膿症と呼んでいる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

肺化膿症
はいかのうしょう

肺の化膿性炎症で、組織の壊死(えし)により膿瘍(のうよう)を形成したものをいう。起炎菌や喀痰(かくたん)の性状によって肺壊疽(えそ)と肺膿瘍に分けられていたが、現在では両者を一括して肺化膿症とよんでいる。発生機序として、扁桃腺(へんとうせん)の摘出や抜歯の際に口腔(こうくう)内に出血した血液の気管内への誤入、睡眠中におこる副鼻腔炎などの膿汁の気管内への吸引、泥酔・脳血管障害・てんかん発作など意識障害があるときの吐物の吸引、肺癌(はいがん)のため気管支が閉塞(へいそく)しておこる末梢(まっしょう)肺領域の感染があげられている。肺癌と肺化膿症との関係はとくに重要で、肺化膿症の20~40%は肺癌に合併する。癌年齢の人に発生した肺化膿症は、癌との関連を明らかにする必要がある。
 症状は、発熱を伴った空咳(からせき)で始まり、2、3日後急に膿性の痰を出すようになる。発病当初に小喀血(かっけつ)をみることもある。痰は悪臭を放ち、容器に入れて放置すると泡沫(ほうまつ)状粘液、漿液(しょうえき)性、膿性の三層に分かれる。治療には体位ドレナージと抗生物質の大量投与が行われる。約半数は薬物療法で治癒するが、肺癌が隠れていることがあるので、長期間薬物療法で観察することはよくない。外科的治療としては肺切除が行われる。[石原恒夫]

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