胎蔵寺(読み)たいぞうじ

日本歴史地名大系 「胎蔵寺」の解説

胎蔵寺
たいぞうじ

[現在地名]豊後高田市平野 熊野

今熊山と号し、天台宗本尊阿弥陀如来。養老二年(七一八)仁聞の開基と伝える。織豊期以降の成立と思われる六郷二十八山本寺目録(太宰管内志)によると、本山分末寺の一。建武四年(一三三七)六月一日の六郷山本中末寺次第并四至等注文案(永弘文書)には今熊野岩屋・今熊野寺とみえ、寺領の四至として(東脱)限コケラ仏 限西赤岩 限南尾立 (限脱)稲積不動堂」とある。中世末の成立と推定される六郷山定額院主目録(太宰管内志)には「院主明王院ノ徒八房」とあり、安永五年(一七七六)の寺院名簿(両子寺蔵)には「檀那二十五軒、右山門末」とみえる。

胎蔵寺
たいぞうじ

[現在地名]福山市北吉津町

妙政みようしよう寺の東方にある。松熊山と号し、真言宗大覚寺派。本尊釈迦如来。もと奴可ぬか中野なかの(現比婆郡西城町)にあり、宮氏の祈願寺であったが、慶長年中(一五九六―一六一五)神辺かんなべ(跡地は現深安郡神辺町)城代福島丹波が神辺に移建して西福さいふく寺と号して祈願所とした。水野勝成が神辺に入城したときも当寺を祈願所とし、福山城築城のとき常興寺じようこうじ山にあった常興寺の釈迦堂安置の釈迦三尊像をもって本尊として神辺西福寺の寺基を移して胎蔵寺の旧称を復した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android