六訂版 家庭医学大全科 「胸膜炎と膿胸」の解説
胸膜炎と膿胸
きょうまくえんとのうきょう
Pleurisy and empyema
(子どもの病気)
どんな病気か
胸膜は、肺の表面をおおう
胸膜炎のうち、炎症が細菌性によるもので、胸水が
原因は何か
胸膜炎の原因となる病気にはいろいろありますが、小児科領域では肺感染症に伴うものが大半で、マイコプラズマ肺炎では、約20%に胸水貯留があると報告されています。
肺炎の炎症が臓側胸膜に及ぶと、毛細血管の透過性が
膿胸の原因としては、かつては黄色ブドウ球菌が多かったのですが、近年ではまれになってきています。
膿胸では、最終的には胸膜で
症状の現れ方
胸膜炎の症状として胸痛(
検査と診断
胸部X線やCT、超音波検査が胸水の確認に有用です。胸水がある程度以上たまっている場合には、
治療の方法
まず胸膜炎を起こした原因疾患の治療を行います。ウイルスや肺炎マイコプラズマによる場合は、胸膜炎の原因になった肺感染症の治療で改善することが多く、実際に胸腔穿刺まで行うことはほとんどありません。
胸水が多量にたまり、呼吸困難を起こしているような場合には、胸水の排液を行います。膿胸では、胸腔穿刺液から行った細菌検査の結果をもとに、抗菌薬を投与します。
坂井 貴胤
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報