きゃたつ‐づり【脚立釣】
- 〘 名詞 〙 脚立を水中に据え、その上に乗って行なう釣り。かつて東京湾などでアオギスなどを釣るのに行なった。
- [初出の実例]「鱚(きす)釣に脚立釣(キャタツツリ)、四方流し、立込、べか釣の四種あり」(出典:風俗画報‐一四六号(1897)人事門)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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脚立釣り
きゃたつづり
浅い海に脚立を立て,その上で行う海釣りの方法。主としてアオギス釣りに用い,高さ2~2.5mの脚立の上に1人ずつ乗って釣る。高く狭い台上で釣るため,餌箱や魚籃 (びく) ,竿などに特別な工夫もされた。敏感なアオギスの習性からこの方法が生れた。東京湾,江戸前の代表的な釣りで,房総沿岸でも5月上旬八十八夜頃から開幕した。古来,初夏の風物詩として有名であったが,海の汚染のため,魚も全滅に近く,その釣りも姿を消した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の脚立釣の言及
【アオギス】より
…内湾性が強く,干潟のよく発達した汽水域で,干潮時には砂が露出するようなところにすんでいる。キスに比べたいへん警戒心が強く,引きの強いことなどから釣りの対象魚として好まれ,東京湾などでは江戸時代以来,脚立の上に乗って釣る〈脚立釣り〉が盛んであった。しかし,昭和30年代半ばには水質の汚染や生息場所である干潟の埋立てなどにより減少し,現在では東京湾,伊勢湾などで絶滅したようである。…
※「脚立釣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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