れき【礫】
〘名〙
②
堆積物を大きさで分類した時、
直径二ミリメートル以上の
岩石の
破片をいう。〔工学字彙(1886)〕
たび‐いし【礫】
〘名〙 (「たび」は「つび(粒)」の変化したものか)
小石。つぶて。たびし。
※
霊異記(810‐824)上「崐山の
一つの礫
(タヒイシ)なり。〈興福寺本訓釈 礫 太比伊之
奈利〉」
たぶて【礫】
〘名〙 小石。つぶて。
※
万葉(8C後)八・一五二二「多夫手
(タブて)にも投げ越しつべき天の河隔てればかもあまた術無き」
ざれ【礫】
※
日本釈名(1699)中「
細石(さざれいし) 細石をざれと云も、此ことばよりいづ」
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デジタル大辞泉
「礫」の意味・読み・例文・類語
たび‐いし【×礫】
《「たび」は粒の意か》小さい丸い石。小石。つぶて。
「鷺を見て―塊を拾ひ集めて擲げ打つに」〈霊異記・中〉
たぶて【×礫】
小石。つぶて。
「―にも投げ越しつべき天の川隔てればかもあまたすべなき」〈万・一五二二〉
ざれ【×礫】
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礫
れき
gravel
岩石の風化岩片や河床などの堆積(たいせき)物を扱う地質学の立場から、礫を直径2ミリメートル以上の岩片と定め、それ以上の大きさについて細分の規定を設けている。またその形状を大きく角礫と円礫に分けるが、前者は山地の露岩地帯や崖(がけ)からの崩落による角張った不規則な外形をもつもので、この場合の径とは最大の幅をもって測られる。角礫の表面は節理によってはがれた平面を残すものが多く、風化されるにしたがって丸みを帯びてくる。一方、円礫は、河流や海岸の波、または沿岸流などで円磨されたもので、長径と短径の比較から円磨度を出すこともある。河床の円礫のなかにもやっと角のとれた程度のものから円形の平たいものまで多様であり、海浜に打ち上げられた円礫は球形に近いものが多い。砂礫層に含まれた礫や礫岩を構成する礫は、地質時代に堆積したものである。
土壌学では土粒を粒径によって区分するが、2ミリメートル以上を礫とすることは地質学と同じで、また国際的にも共通に径2ミリメートルを限度とすることが守られている。土壌中の礫は風化に対する抵抗性の大きい石英粒または岩石の小片であることが多い。
[浅海重夫]
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礫【れき】
砂よりも大きい岩石片,すなわち,一般に直径2mm以上のもの。大きさにより,さらに細礫(2〜4mm),中礫(4〜64mm),大礫(64〜256mm),巨礫(256mm以上)などに分ける。形態上からは,角ばったものを角礫,まるみを帯びたものを円礫と呼ぶ。堆積物としては供給源に近い地域,すなわち川ならば上流地域,海では陸地に近い所に多い。
→関連項目砂|レキ(礫)岩
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礫
① gravel: 未固結のgranule, pebble, cobble, boulderの集積.この語には,pebble量が最低25%とする考え[Willman : 1942]や,30%とする考え[Fold : 1954]があるが,粗粒の粒子の比率に関しては決まっていない[Pettijohn : 1975].
② pebble: 鉱物や岩石の破片で,直径が4~64mmのもの[Wentworth : 1922].
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
礫
れき
gravel
粒径 2mm以上の岩石の破片。粒径 256mm以上を巨礫,256~64mmを大礫,64~4mmを中礫,4~2mmを細礫という粒度区分が一般的に使用されている。
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