(読み)レキ

デジタル大辞泉 「礫」の意味・読み・例文・類語

れき【×礫】

小さい石。こいし。
粒径2ミリ以上の岩石の破片。
[類語]石ころ石くれ小石石礫せきれき礫石れきせき石塊せっかい転石てんせき砂利じゃり砕石ごろた石つぶて玉石割り栗石さざれ石火打ち石

れき【礫】[漢字項目]

[音]レキ(漢)
石ころ。「礫岩礫土瓦礫がれき砂礫石礫
難読飛礫つぶて

たび‐いし【×礫】

《「たび」は粒の意か》小さい丸い石。小石。つぶて。
「鷺を見て―つちくれを拾ひ集めてげ打つに」〈霊異記・中〉

たぶて【×礫】

小石。つぶて。
「―にも投げ越しつべき天の川隔てればかもあまたすべなき」〈・一五二二〉

ざれ【×礫】

細かい石。小石。「場」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「礫」の意味・読み・例文・類語

れき【礫】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 小さい石。こいし。いしころ。つぶて。
    1. [初出の実例]「金は塊、珠は礫と云ひける代の有様も」(出典:日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉三)
    2. [その他の文献]〔説文解字‐九篇下・石部〕
  3. 堆積物を大きさで分類した時、直径二ミリメートル以上の岩石の破片をいう。〔工学字彙(1886)〕

たび‐いし【礫】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「たび」は「つび(粒)」の変化したものか ) 小石。つぶて。たびし。
    1. [初出の実例]「崐山の一つの礫(タヒイシ)なり。〈興福寺本訓釈 礫 太比伊之奈利〉」(出典日本霊異記(810‐824)上)

たぶて【礫】

  1. 〘 名詞 〙 小石。つぶて。
    1. [初出の実例]「多夫手(タブて)にも投げ越しつべき天の河隔てればかもあまた術無き」(出典:万葉集(8C後)八・一五二二)

ざれ【礫】

  1. 〘 名詞 〙 細かい石。小石。砂利
    1. [初出の実例]「細石(さざれいし) 細石をざれと云も、此ことばよりいづ」(出典:日本釈名(1699)中)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「礫」の読み・字形・画数・意味


20画

[字音] レキ
[字訓] こいし・つぶて

[説文解字]

[字形] 形声
声符は樂(楽)(らく)。〔説文〕九下に「小石なり」とあり、つぶてをいう。つぶてを投げることを擽(りやく)といい、つぶてのように轢(ひ)き砕くことを轢(れき)という。

[訓義]
1. こいし、いしころ。
2. つぶて、石つぶて。
3. 石のごろごろしたさま。

[古辞書の訓]
名義抄〕礫 タフチ・ツヒタレ・タビイシ・イシ・カハラ・サザレイシ・ツムレイシ

[語系]
礫・轢lyekは同声。擽lykは声義近く、みな礫の声義に関係のある語。(ろく)声・鹿(ろく)声の語とも、擬声語として通用することがある。

[熟語]
礫岩礫州礫石
[下接語]
瓦礫礫・荒礫・沙礫・砂礫・珠礫・石礫・磧礫・積礫・的礫・白礫・飛礫

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「礫」の意味・わかりやすい解説


れき
gravel

岩石の風化岩片や河床などの堆積(たいせき)物を扱う地質学の立場から、礫を直径2ミリメートル以上の岩片と定め、それ以上の大きさについて細分の規定を設けている。またその形状を大きく角礫と円礫に分けるが、前者山地の露岩地帯や崖(がけ)からの崩落による角張った不規則な外形をもつもので、この場合の径とは最大の幅をもって測られる。角礫の表面は節理によってはがれた平面を残すものが多く、風化されるにしたがって丸みを帯びてくる。一方、円礫は、河流や海岸の波、または沿岸流などで円磨されたもので、長径と短径の比較から円磨度を出すこともある。河床の円礫のなかにもやっと角のとれた程度のものから円形の平たいものまで多様であり、海浜に打ち上げられた円礫は球形に近いものが多い。砂礫層に含まれた礫や礫岩を構成する礫は、地質時代に堆積したものである。

 土壌学では土粒を粒径によって区分するが、2ミリメートル以上を礫とすることは地質学と同じで、また国際的にも共通に径2ミリメートルを限度とすることが守られている。土壌中の礫は風化に対する抵抗性の大きい石英粒または岩石の小片であることが多い。

[浅海重夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「礫」の意味・わかりやすい解説

礫【れき】

砂よりも大きい岩石片,すなわち,一般に直径2mm以上のもの。大きさにより,さらに細礫(2〜4mm),中礫(4〜64mm),大礫(64〜256mm),巨礫(256mm以上)などに分ける。形態上からは,角ばったものを角礫,まるみを帯びたものを円礫と呼ぶ。堆積物としては供給源に近い地域,すなわち川ならば上流地域,海では陸地に近い所に多い。
→関連項目レキ(礫)岩

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

岩石学辞典 「礫」の解説

gravel: 未固結のgranule, pebble, cobble, boulderの集積.この語には,pebble量が最低25%とする考え[Willman : 1942]や,30%とする考え[Fold : 1954]があるが,粗粒の粒子の比率に関しては決まっていない[Pettijohn : 1975].
pebble: 鉱物や岩石の破片で,直径が4~64mmのもの[Wentworth : 1922].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「礫」の意味・わかりやすい解説


れき
gravel

粒径 2mm以上の岩石の破片。粒径 256mm以上を巨礫,256~64mmを大礫,64~4mmを中礫,4~2mmを細礫という粒度区分が一般的に使用されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android