出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
岩石の風化岩片や河床などの堆積(たいせき)物を扱う地質学の立場から、礫を直径2ミリメートル以上の岩片と定め、それ以上の大きさについて細分の規定を設けている。またその形状を大きく角礫と円礫に分けるが、前者は山地の露岩地帯や崖(がけ)からの崩落による角張った不規則な外形をもつもので、この場合の径とは最大の幅をもって測られる。角礫の表面は節理によってはがれた平面を残すものが多く、風化されるにしたがって丸みを帯びてくる。一方、円礫は、河流や海岸の波、または沿岸流などで円磨されたもので、長径と短径の比較から円磨度を出すこともある。河床の円礫のなかにもやっと角のとれた程度のものから円形の平たいものまで多様であり、海浜に打ち上げられた円礫は球形に近いものが多い。砂礫層に含まれた礫や礫岩を構成する礫は、地質時代に堆積したものである。
土壌学では土粒を粒径によって区分するが、2ミリメートル以上を礫とすることは地質学と同じで、また国際的にも共通に径2ミリメートルを限度とすることが守られている。土壌中の礫は風化に対する抵抗性の大きい石英粒または岩石の小片であることが多い。
[浅海重夫]
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