自動製図機(読み)じどうせいずき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「自動製図機」の意味・わかりやすい解説

自動製図機
じどうせいずき

コンピュータを用いた制御装置指令によって自動的に作画を行う機械。もっとも代表的なものは、2方向のパルスモーターによりXY方向に動くペンプロッターで、これにはドラム式のものと、フラットベッド式のものがある。前者は、ロール紙を回転させながらこれと直角に動くペンにより作図するもので、長い図面を描くことができる利点がある反面、精度の点にやや難がある。また後者は、平板上に用紙を置いて作図するため、作図過程を監視することができ、精度も高いものが得られる。

 いずれも作図はボールペンあるいはニードルペンによって行うが、最近では加筆、訂正が自在にできる鉛筆を使えるものもつくられている。

 また自動車、航空機、造船などの分野で用いられる大型自動製図機は、図面を作成するためというよりも、図形の出入力を数値制御(NC)工作機械などと連動させる、オートメーションの一環として用いられている。

 このほか、図形を紙面でなくブラウン管(カソード・レイ・チューブcathode ray tube、CRTと略す)上にパターンとして映像させるグラフィック・ディスプレー装置が盛んに用いられている。この装置を用いれば、設計者とコンピュータの間に情報の図式化交換が可能となり、またライトペンを使用することにより、画面へ直接当てて、図形の消去移動、加筆を行うことができるほか、X‐Yプロッターと連動させて、ハードコピーを得ることもできる。

大西 清]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の自動製図機の言及

【製図用具】より

…またハンドル部分にはバーニヤつきの分度器が取りつけられており,スケールを必要な角度に簡単に固定することができるようになっている。また最近では,大型電算機と連動させ,きわめて複雑な図形でも能率よく高精度でかくことができる自動製図機が各方面において広く実用されてきている。この自動製図機は,制御装置の指令によって作動する2方向のパルスモーターの回転によって,X‐Y方向に動くプロッターと考えることができ,その使用方法には電算機とプロッターを直接連動させるオンラインシステムと,電算機で処理した結果を一度磁気テープなどに記録し,のちにプロッターだけを別に動かすオフラインシステムがあるが,一般にはオフラインシステムによることが多い。…

※「自動製図機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android