自動開閉ドア(読み)じどうかいへいどあ(英語表記)automatic door operator

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

自動開閉ドア
じどうかいへいどあ
automatic door operator

通行するときに自動的に開閉するドア。自動ドア、オートドアともいう。検知器によって自動的に開閉するものと、人が動力を操作する形式とがある。紀元前6世紀ごろのギリシアで、空気の熱膨張力によって神殿の扉を自動開閉した記録があるが、日本では1930年(昭和5)前後に現在のJR山手(やまのて)線に使用されたのが実用の初めである。55年(昭和30)ごろから、ビルディングや店舗など出入りの多い場所や、病院の手術室、IC工場のクリーンルーム、電算室など清浄さや温度の保持が必要なところ、カード所持者だけに開く機密部分の入口などに多く設置されている。特殊な用途としては、飛行機格納庫やロケット発射台入口などの幅100メートル近い扉や、放射線遮断用の800トンの重量ドア、大きな気圧差や温度差を保つための扉などもある。
 ドア部、ドアエンジン部、制御部によって構成されている。
〔1〕ドア部 引き戸、開き扉、折り戸、回転扉、上下戸などがあるが、安全で通行能率のよい引き戸が多く使用されている。
〔2〕ドアエンジン部 ドアを自動開閉する駆動部であり、使用する動力によって空圧式、油圧式、電動式がある。
(1)空圧式 1平方センチメートル当り5キログラムの圧縮空気で駆動する。
(2)油圧式 1平方センチメートル当り20~140キログラムの高圧油をシリンダーに送って開閉する。大型・重量ドアを円滑に作動することができる。
(3)電動式 電動機の回転を減速機を通じて伝達する。いずれもマイクロコンピュータを使用して精密な制御が行われるようになった。
〔3〕制御部 人や車の接近を検知してドアエンジン部に開信号を、通過後はできるだけ早く閉信号を送る。障害物があるとドアを停止・反転させる安全制御も行う。通行人数、開閉頻度に対応して開口部の大きさを適時変化させるものもある。通行物を検知するセンサーには次のような種類がある。
(1)マットスイッチ 面状のスイッチを防水したゴムマットに組み込み、踏むとスイッチが入る。構造が簡単で確実であるが、重量物が通過できない。
(2)熱線スイッチ 天井に設置し、検知範囲に入った人の体温(波長約10マイクロメートルの遠赤外線)を検出する。人だけしか検知できない。
(3)光線反射スイッチ、レーダースイッチ、超音波スイッチ レーダーと同じ原理で、近赤外線(波長950ナノメートル)、マイクロ波(周波数約10ギガヘルツ)、超音波(約50キロヘルツ)を発射し、反射波を受信するとスイッチが入る。
(4)光線スイッチ 扉の前後に投光器と受光器を設置し、光線のビームが遮られるとスイッチが入る。
(5)電子マットスイッチ 絶縁した検知板を扉の前後の5センチメートルの深さに埋設して高周波電波(周波数約10メガヘルツ)を発振、検知板上の通行物を検知する。
(6)ループコイルスイッチ 検知境界線上の5センチメートルの深さに絶縁電線をループ状に埋設して高周波電波(周波数約100キロヘルツ)を発振、検知範囲に車などの金属物体が入るとスイッチが入る。[菅 雄一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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