自動扉,自動ドアなどともいう。人が力を加えることなく動力によって開閉する装置をもった扉。人や物体の接近を感知して開き,通過後に閉じるもののほか,そのつど人の操作によって動力で開閉するものも含まれる。機構は,戸および枠,戸を動かすドアエンジン部,人などの検知や操作によって開閉を制御する部分からなる。動力は電動機のほか,圧縮空気や油圧が用いられることもある。開閉方式には,引戸,開戸,回転ドアなどがある。検知方式としては,体重を検知するマット式スイッチ,マイクロ波のドップラー効果によって動作物体を検出する方式,光線の遮断や光線・超音波の反射を検知する方式,静電容量の変化を検知する方式(床に埋め込まれて外観上まったく露出する部分がない),車両などの大きな金属物体のみを検知するループコイル式などが利用されている。また人の意図的な操作を必要とするものでは,手を触れる方式,ひじ,ひざ,つま先などで操作するもの,ひもなどを引く方式のほか,無線による操作,インターホンとの連動,磁気カード読取装置との組合せも実用されている。
戸の閉め忘れがないこと,手を触れずに開閉できるなどの特徴から,衛生的なことが要求される場所,両手がふさがる場所,人力では開閉不可能な扉などのほか,省力化,サービス向上,身障者対策などを目的として用いられる。また探知・操作部分のくふうによっては人の出入りや流れの方向の規制も可能であり,特定の人あるいは物のみを通過させる使い方もできる。このほか,電気的操作で開閉できるので,多数の扉の同時開閉や遠隔操作も行える利点をもつ。日本では鉄道車両の扉には昭和初期に導入されたが,建築用として一般化したのは昭和30年代半ばごろからである。
→ドアエンジン
執筆者:真鍋 恒博
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