自浄作用(読み)ジジョウサヨウ(その他表記)self-purification

デジタル大辞泉 「自浄作用」の意味・読み・例文・類語

じじょう‐さよう〔ジジヤウ‐〕【自浄作用】

川・海・大気などに入った汚濁物質が、沈殿吸着微生物による分解などの自然的方法で浄化されること。特に河川での微生物による分解をさす。

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精選版 日本国語大辞典 「自浄作用」の意味・読み・例文・類語

じじょう‐さようジジャウ‥【自浄作用】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 川、海、大気などに入り込んだ汚染物質が、しだいに沈澱し吸着され、また、微生物に分解されるなどして自然に取り除かれ、浄化されること。
  3. 比喩的に、組織体が内部腐敗自分の力で取り除くこと。「政界の自浄作用に期待する」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自浄作用」の意味・わかりやすい解説

自浄作用
じじょうさよう
self-purification

河川,湖沼海域に混入した汚濁物質を,沈殿,酸化,生物による分解などにより,水自体で浄化する作用。湖沼のような静水域では,汚濁物質が大量に沈殿したり,酸化還元されたりする。河川のように水の流動するところでは,有機性汚濁物質を,微生物,昆虫などの分解者が無機物に分解して自然界に還元する。下水処理は,この作用を人為的に高めたものといえる。しかし,この作用には限界があり,自然の浄化力をこえると,浄化しきれないだけでなく,作用の能力が低下する。また,重金属や分解しにくい物質には作用も及びがたく,リン窒素の塩類も分解しにくい。赤潮,水の華,死の川などの現象は,自浄作用をこえた状態といえる。

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四字熟語を知る辞典 「自浄作用」の解説

自浄作用

川、海、大気などに入り込んだ汚染物質が、しだいに沈殿し吸着され、また、微生物に分解されるなどして自然に取り除かれ、浄化されること。転じて、組織体が内部の腐敗を自分の力で取り除くこと。

[使用例] ただし、この国にそこまでの自浄作用があるとは思えないけどね[幸田真音*代行返上|2004]

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