自然分類(読み)しぜんぶんるい(英語表記)natural classification

精選版 日本国語大辞典 「自然分類」の意味・読み・例文・類語

しぜん‐ぶんるい【自然分類】

〘名〙 生物分類法うち、類縁関係を反映している生殖器官など形質基準として分類する方法。一八世紀以後に提唱され、進化論成立をうながす一つ動機となった。人間の便宜上の分類である人為分類に対していう。〔生物学語彙(1884)〕

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デジタル大辞泉 「自然分類」の意味・読み・例文・類語

しぜん‐ぶんるい【自然分類】

生物を系統に基づく類縁関係によって分類すること。系統分類。→人為分類

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自然分類」の意味・わかりやすい解説

自然分類
しぜんぶんるい
natural classification

人為分類に対応する生物分類法。生物の特徴全体をとらえて分類しようとするもので,理想的には生物の類縁関係を示す系統分類と一致するはずのものである。化石種は体の一部しか産出しないものがあること,生きた状態が不明のことのため,とりわけ自然分類が困難である。現存種についても自然分類は一つの理想ではあるが,近代的分類の出発点とされる C.リンネのそれが人為分類的であることからもわかるとおり,困難が多い。

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世界大百科事典(旧版)内の自然分類の言及

【分類学】より

…これは切手の分類などに通じるやり方で,生物学のための補助手段となることはあっても,生物学ではない。生物学の一分野としての分類学は,生物の進化の過程にしたがって生物を体系化するものであり,生物の類縁の遠近に合わせて行う分類を自然分類という。これを,生物の系統分化に応じた分類であるという観点から,系統分類ということもある。…

※「自然分類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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