舞台観察手引草(読み)ぶたいかんさつてびきぐさ

改訂新版 世界大百科事典 「舞台観察手引草」の意味・わかりやすい解説

舞台観察手引草 (ぶたいかんさつてびきぐさ)

歌舞伎の研究的鑑賞書。杉贋阿弥著。1918年(大正7)刊。1冊。13年から16年にかけて雑誌《演芸画報》に連載された歌舞伎の義太夫狂言(ほとんどが時代物)の演出研究を収録。著者文士劇で演じ,本職に劣らぬと好評を博した役の実演を通しての解釈と,当代の名優それぞれの型とを比較検討し,原作と対照して,その優劣を論じている。従来の単なる舞台描写の記事から数歩前進し,舞台鑑賞の手引としては他に類を見ない研究書。本書によって歌舞伎への理解が深まり,後進の劇評家に多大の影響を与えた。57年再版された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の舞台観察手引草の言及

【源平布引滝】より

…〈生締(なまじめ)物〉(油で棒状に固めた髷(まげ)の〈生締〉という鬘(かつら)を用いるのでこう通称される)の代表的な役で,人形浄瑠璃より派手な演出を見せる。菊五郎型,団蔵型などについて杉贋阿弥著《舞台観察手引草》に詳しい。【内山 美樹子】。…

※「舞台観察手引草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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