デジタル大辞泉
「航空性中耳炎」の意味・読み・例文・類語
こうくうせい‐ちゅうじえん〔カウクウセイ‐〕【航空性中耳炎】
航空機内で気圧が急激に変化した際に、耳管が閉じたままになり、鼓膜の内側と外側の圧力に差が生じることによって起こる中耳炎。降下時に起こることが多い。軽症の場合は数分から数時間で自然に、あるいは耳抜きをすることによって解消されるが、重症の場合は治療が必要となる。
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「航空性中耳炎」の解説
こうくうせいちゅうじえん【航空性中耳炎 Aviation Otitis】
[どんな病気か]
飛行機が上昇しているときには、大気圧よりも中耳の内圧のほうが高いので、鼓膜(こまく)は外耳道(がいじどう)のほうへ張り出します。反対に飛行機が下降するときは、中耳の内圧が低くなるので、鼓膜が中耳のほうに引き込まれます。そのため、耳がつまった感じになり、さらには、耳痛(じつう)、難聴(なんちょう)がおこってくることがあります。
鼓膜は、強く引っ張られるために発赤(ほっせき)し、ときには内出血(ないしゅっけつ)をおこすこともあります。これを航空性中耳炎といい、かぜをひいていると、おこりやすいものです。また、中耳の内圧を調節している耳管(じかん)の機能の悪い人は、飛行機に乗るたびにおこります。
耳管の機能が改善すれば自然に治りますが、内出血がおこったような場合は、1~2週間、耳のつまった感じがとれません。さらにひどい場合は、内耳(ないじ)との境の窓がポンという音とともに裂け(内耳窓破裂(ないじそうはれつ))、高度の感音難聴(かんおんなんちょう)になることもあります。
ダイビングなどにより深く潜水した場合にも、同様に気圧変化により潜水性中耳炎がおこることがあります。
いつまでも耳の異常が続くときは、耳鼻咽喉科医(じびいんこうかい)の診察を受けましょう。
出典 小学館家庭医学館について 情報
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