陸上の電話網と船舶に搭載された電話装置間を結合した通信システム。代表例として,日本の沿岸を航行する船舶と陸上一般電話加入者間を接続する船舶電話方式について説明する。図はこの方式のシステム構成を示したものである。沿岸に配置された無線基地局は半径50km程度のサービスエリアをもち,2周波,あるいは3周波を繰り返し使用するゾーン構成により全国をカバーしている。無線周波数は150MHz帯,あるいは250MHz帯が使用されている。船舶が無線ゾーンを横切るとその在圏位置が船舶交換局に自動的に登録される。したがって,陸上の一般加入者から発信する場合でも,船舶番号をダイヤルすればその船舶の現在位置が自動的に探索され,対応する無線基地局を通じて被呼船舶を呼び出すことができる。
執筆者:秋山 稔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
入港中または沿岸を航海中の船舶と、陸上および船舶相互の間で、陸上の基地局を経由して通話する無線電話。日本では1953年(昭和28)、東京湾、大阪湾近海をサービスエリアとする港湾電話として発足した。78年3月プッシュホン式で自動化され、日本船舶通信会社により、日本電信電話会社の回線を使用して運営されている。日本全国の沿岸海域を21に分け、それぞれが5桁(けた)の海域番局をもっている。船舶の電波は最寄りの基地局で受信されるとコンピュータに登録されて、船舶の移動に従って約100か所の基地局が自動的に追跡する。150メガヘルツ帯の国際VHFを使用し、50~100キロメートルの沖合いまで通話できる。旅客船用にはコイン電話もある。
付加装置によって保安通信、港務通信が可能となる。これは海上保安機関、港湾管理機関、同じ装置や国際VHFをもつ他の船舶との直接通話ができる装置である。沿岸海域を航海する総トン数100トン以上の旅客船と300トン以上の船舶は、船舶安全法で保安通信装置の設置が義務づけられている。
[飯島幸人]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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