芥子焼(読み)けしやき

精選版 日本国語大辞典 「芥子焼」の意味・読み・例文・類語

けし‐やき【芥子焼】

〘名〙
密教護摩の時、芥子を加持して、炉中に投じ降伏(ごうぶく)の用に供すること。この時の芥子とは辛子(からし)で、辛子は堅く辛い性をもつため降伏の対象に擬する。
蜻蛉(974頃)中「けしやきのやうなるわざすれど、猶しるしなくて程ふるに」
菓子の一つ。紅梅焼のように、小麦粉、米粉と砂糖をねって焼いた方形煎餠の表面に芥子粒をつけたもの。
人情本・明烏後正夢発端(1823)下「又はけし焼(ヤキ)、丁字焼、鉢木の梅の貝細工
③ 魚や肉に芥子を振りかけて焼くこと。また、そのもの。
※日本料理通(1930)〈楽満斎太郎〉料理法の巻「其の他、海苔やき、ごま焼、けし焼、昆布の粉をかけてやく翁やき」

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デジタル大辞泉 「芥子焼」の意味・読み・例文・類語

けし‐やき【×芥子焼(き)】

密教で、カラシナ種子を用いて護摩ごまをたくこと。
江戸時代の菓子の一。紅梅焼きのような方形のせんべいの面に芥子粒をつけたもの。

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