け‐し【×芥子/罌=粟】
1 ケシ科の越年草。高さ約1.5メートル。葉は白みを帯び、縁にぎざぎざがあり、基部は茎を包む。初夏、下を向いていたつぼみが上向き、大形の紅・紫・白色や絞りの4弁花を開く。種子は小さくて黒色、料理に用いる。白花の未熟の実からは阿片の原料をとるが、日本では栽培などが厳しく制限されている。仲間にはヒナゲシ・オニゲシなどがある。《季 花=夏》「―ひらく髪の先まで寂しきとき/多佳子」
2 カラシナの種子。香辛料として利用。また仏寺で護摩をたくときに用いる。かいし。
[類語]雛芥子・虞美人草・ポピー
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
芥子
からし
カラシナ類の種子を粉末にしたもの。黄色の種子は直径 1.5mmぐらいの球形。配糖体シニグリン,加水分解酵素ミロシンを含む。水を加えておくと酵素が働き,からし油を生じる。カレー粉,粉わさびなどの原料とするほか,サラダや各種の料理に用いられる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
かい‐し【芥子】
〘名〙
芥菜
(からしな)の種子。また、その種子を粉末にした香辛料。からし。
※童子問(1707)下「即芥子納二須彌一之説也」 〔斉民要術‐種蜀芥蕓薹芥子〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
芥子 (ケシ)
学名:Papaver somniferum
植物。ケシ科の越年草,園芸植物,薬用植物
芥子 (カラシ)
植物。アブラナ科の越年草,園芸植物,薬用植物。カラシナの別称
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
からし【芥子】
カラシナの種子,また,それを粉末にした香辛料。和がらし,ジャパニーズマスタードなどと呼ばれるが,マスタード(洋がらし)とは植物学上別種である。奈良時代すでにからし粉が用いられていたことは,《正倉院文書》中に臼でついた意の〈舂芥子〉の語があることで明らかである。《延喜式》には甲斐,信濃,上総,下総から中男作物などとして貢納され,調理面では現在よりもはばひろく利用されていたように思われる。酢やみそに加えてなますやあえ物に使ったことがはっきりするのは室町時代のことになるが,食生活の洋風化が急激に進んだ第2次大戦後まで,日本人にとってはきわめて重要な香辛料であった。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
世界大百科事典内の芥子の言及
【カラシナ(芥子菜∥芥菜)】より
…耐寒性も比較的強いので,主に秋まきして晩秋または越冬後早春に収穫する。種子を生薬では芥子(がいし)という。配糖体シニグリンsinigrin(ミロン酸カリウム)を含み,加水分解によりイソチオシアン酸アリルallyl isothiocyanateを生じ,これが皮膚や粘膜を刺激する。…
※「芥子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報