日本大百科全書(ニッポニカ) 「花様年華」の意味・わかりやすい解説
花様年華
かようねんか
香港映画。2000年作品。監督はウォン・カーウァイ(王家衛)。1962年の香港。新聞記者のチャウ(トニー・レオンTony Leung(梁朝偉)、1962― )は妻とともにアパートに引っ越すが、同じ日に隣の部屋にチャンとその夫人(マギー・チャンMaggie Cheung(張曼玉)、1964― )が入居する。ともに連れ合いが仕事で不在のため、チャウとチャン夫人はそれぞれ一人で在宅のことが多い。互いの妻と夫が不倫関係にあることを察知した2人は、しだいに親密になっていく。やがて禁断の関係となるが、チャウがシンガポールへ旅立つことになり別れが到来する。その後も互いの想いは続くもののすれ違いを繰り返し、時は経過していく。既婚男女の禁じられた恋愛をスタイリッシュに描いたウォン・カーウァイの代表作。第53回カンヌ国際映画祭男優賞(トニー・レオン)、第20回香港電影金像奨最優秀主演男優賞(トニー・レオン)・同最優秀主演女優賞(マギー・チャン)、ほか多数受賞。ウォン・カーウァイの作品歴のなかで、本作は『欲望の翼』(1990)の続編、『2046』(2004)の前編といわれている。
[石坂健治]