花鬘(読み)ハナカズラ

デジタル大辞泉 「花鬘」の意味・読み・例文・類語

はな‐かずら〔‐かづら〕【花×鬘】

時節の花を糸で連ねて作った挿頭かざし
漢人からひといかだ浮かべて遊ぶといふ今日そ我が背子―せな」〈・四一五三〉
山上に咲きそろった花を1に見立てた語。
「雲のゐる遠山姫の―霞をかけて吹く嵐かな」〈夫木・四〉

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精選版 日本国語大辞典 「花鬘」の意味・読み・例文・類語

はな‐かつら【花鬘・花縵】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「はなかづら」とも )
  2. 季節の花を糸で貫いたり、花の枝を輪にしたりして作った髪飾り。
    1. [初出の実例]「漢人(からひと)もいかだ浮かべて遊ぶといふ今日そわがせこ花縵(はなかづら)せな」(出典万葉集(8C後)一九・四一五三)
  3. 仏前を飾る仏具。薄い金属で作り、天女花鳥を透き彫りにした華鬘(けまん)
    1. [初出の実例]「花縵(はなカツラ)を以て殯宮に進(たてまつる)。此を御蔭と曰す」(出典:日本書紀(720)持統元年三月(北野本訓))
  4. 山上に咲いている花を、に見立てていう語。
    1. [初出の実例]「雲のゐる遠山姫の花かづら霞をかけて吹く嵐かな〈源通光〉」(出典:雲葉(1253‐54頃)春中)

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