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仮埋葬の期間に行われる喪儀(殯)の宮。「あらきのみや」「あがりのみや」ともいう。殯は中国の葬送儀礼にもみえるが、『魏志(ぎし)』東夷伝(とういでん)倭人(わじん)の条には「始め死するや停喪十余日、時に当りて肉を食はず、喪主哭泣(こっきゅう)し、他人就(つ)いて歌舞飲酒す」とみえる。また『隋書(ずいしょ)』東夷伝倭国の条には「貴人は三年外に殯し、庶人は日を卜(ぼく)してうづむ」と記す。もがりはモアガリ(喪上)の約とする説が有力である。古代の大王・天皇の場合、殯の行われた例としては、欽明(きんめい)、敏達(びだつ)、推古(すいこ)、舒明(じょめい)、孝徳(こうとく)、斉明(さいめい)、天智(てんじ)、天武(てんむ)、持統(じとう)、文武(もんむ)などの場合がある。殯宮では誄(しぬびごと)や歌舞などが献奏された。天武天皇の殯宮の喪儀は2年2か月に及び、持統天皇の場合は1年、文武天皇の例では5か月、元明(げんめい)天皇の殯宮の儀は6日となっている。その期間に長短がある。
[上田正昭]
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…殯の萌芽形態は,《魏志倭人伝》にすでに見えており,古代日本のみならず,中国南部から中部インド,メラネシア,ポリネシアなどに広く分布する複葬形式の一つと認められる。殯についてとくに注目されるのは,大王の没後,殯宮(もがりのみや)が新たに造営されて,殯宮の内や殯宮を取り囲む空間(殯庭(もがりのにわ))で,各種の諸儀礼が行われたことである。殯宮内では,女性の近親者や土師(はじ)氏,遊部(あそびべ)などが,亡き大王に奉仕する私的儀礼の側面が濃いのに対し,殯庭で繰り広げられる歌舞や誄(しのびごと)の奏上には,亡き大王,さらには新しい大王継承者に対する服属の誓約といった公的儀礼の色彩が濃厚である。…
…多くは檜皮葺き(ひわだぶき)の屋であった。霊屋は《日本書紀》に殯宮(もがりのみや)とか殯殿とか喪屋(もや)と書かれているものと,基本的には同じものである。この中で遊部(あそびべ)が死者に付着する凶癘魂(きようれいこん)を鎮める儀礼をした。…
…殯の萌芽形態は,《魏志倭人伝》にすでに見えており,古代日本のみならず,中国南部から中部インド,メラネシア,ポリネシアなどに広く分布する複葬形式の一つと認められる。殯についてとくに注目されるのは,大王の没後,殯宮(もがりのみや)が新たに造営されて,殯宮の内や殯宮を取り囲む空間(殯庭(もがりのにわ))で,各種の諸儀礼が行われたことである。殯宮内では,女性の近親者や土師(はじ)氏,遊部(あそびべ)などが,亡き大王に奉仕する私的儀礼の側面が濃いのに対し,殯庭で繰り広げられる歌舞や誄(しのびごと)の奏上には,亡き大王,さらには新しい大王継承者に対する服属の誓約といった公的儀礼の色彩が濃厚である。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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