芳全寺
ほうぜんじ
久下田城跡の西方にあり、蟠竜山護国院と号し、曹洞宗。本尊釈迦如来。寺伝によれば天文一四年(一五四五)常陸下館城(現茨城県下館市)城主水谷正村(蟠竜)が、下総結城乗国寺住職威岩を招いて開山として創建、前年築造した久下田城の祈願所としたという。寺号は正村の叔父で前下館城主治持の道号全芳軒により、山号は自らの道号を用いた。「水谷蟠竜記」によれば威岩招請は父政俊の十三回忌追福のためといい、翌天文一五年宇都宮氏の来襲を知った正村は結城政勝の加勢を得て、伏兵として当寺などの寺中に騎馬七〇騎・雑兵六、七百を隠し、当寺の門先へ押寄せて敵の後ろを抑えるという作戦を立て大勝したという。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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