朝日日本歴史人物事典 「荒木元融」の解説
荒木元融
生年:享保13(1728)
江戸中期の画家。通称為之進。字は士長。号は円山。長崎の商家に生まれる。石崎元徳に師事し,さらにオランダ人から洋風画法を学んだという。同姓であった荒木元慶の養子となり,明和3(1766)年元慶辞職ののち,その役を受けて唐絵目利兼御用絵師となる。天明8(1788)年に長崎に来た司馬江漢は元融を訪れ,その絵を「一向の下手」と『西遊日記』で酷評しているが,油絵やガラス絵の知識を求めて得られなかったためか。子の石崎融思らを指導した。作品に「水亭囲碁図」「双鯉図」(ともに神戸市立博物館蔵)など。
(佐藤康宏)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報