荒河保(読み)あらかわほ

日本歴史地名大系 「荒河保」の解説

荒河保
あらかわほ

荒川あらかわ町・関川せきかわ村を中心に、北蒲原きたかんばら黒川くろかわ村の一部を含んだ保。保名は荒川流域に成立したことによる。鎌倉時代河村かわむら(現神奈川県足柄上郡山北町)に発した河村氏が地頭として入った。弘安一〇年(一二八七)一二月一一日関東御教書(河村氏文書)に「荒河保引網壱(網)」を亡父道阿の例を守って河村余一が沙汰するようにとあり、当保における漁業の重要性を示している。この御教書に先立つ河村道阿遺領配分状案(同文書)には、四男秀通分の田三町一反大二六歩(六〇〇苅一反定)内分が記され、山口やまぐち(現荒川町)門田・源新太夫、新光しんこう寺跡(現荒川町)・入出・大瀬中津河・鷹巣山とある。また保内の在家のうち中津河一八宇・源新太夫一宇・新光寺跡一宇・入出非人所五宇が秀通へ譲られている。元亨元年(一三二一)河村秀綱の遺領のうち、田四町六反半二二歩・在家五〇宇・山一所・海引網一網・河瀬五ヵ所の小太郎秀久への配分が認められた(同年八月七日「関東下知状案」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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