関川(読み)セキカワ

デジタル大辞泉 「関川」の意味・読み・例文・類語

せき‐かわ〔‐かは〕【関川】

新潟県南西部を流れ、上越市直江津日本海に注ぐ川。焼山やけやまに源を発し、妙高山南麓を東に流れ、長野県上水内かみみのち信濃町付近で北流し、高田平野を貫流する。長さ64キロ。

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精選版 日本国語大辞典 「関川」の意味・読み・例文・類語

せき‐がわ‥がは【関川】

  1. 〘 名詞 〙 関所の近くを流れている川。特に近江国滋賀県逢坂関の付近を流れる小川が知られる。
    1. [初出の実例]「逢坂の関の菊 この花に花尽きぬらしせきかはのたえずも見よと折れる菊の枝」(出典:寛平内裏菊合(891頃か))

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日本歴史地名大系 「関川」の解説

関川
せきかわ

長野県境の山々に源を発し、妙高みようこう山麓の南から東を大きく迂回し、高田たかだ平野を貫流して上越市の直江津なおえつ地区で日本海に注ぐ全長六四キロの一級河川。流域面積は一千一四〇平方キロ。最下流部はあら川とよばれる。上流は黒姫くろひめ山と妙高山の裾合谷を峡谷をうがって東流し、中頸城なかくびき妙高高原みようこうこうげん関川せきがわで長野県の野尻のじり湖の水を合せて北に向きを変え、妙高火口瀬の白田切しろたぎり川・大田切おおたぎり川を合せて模式的な田切地形を形成し、新井市で高田平野に出る。平野部では左岸矢代やしろ川・青田あおた川・儀明ぎみよう川、右岸では頸城山地からの別所べつしよ川・櫛池くしいけ川・飯田いいだ川などの支流が放射状に本流に流れ込み、隆起複合扇状地を形成している。さらに上越市高田地区の下流で保倉ほくら川を合流して荒川となる。川名は、「大日本地名辞書」は「和名抄の越後国府址はこの地にあり、府内の御館を北川館きたがわのやかたと云ふ。


関川
せきかわ

上水内郡と新潟県との境を流れる。本流の水源は新潟県やけ山・火打ひうち山で、上水内郡と北安曇きたあずみ郡との境である堂津どうつ山から発した二ぐろ川を合流し、五地蔵ごじぞう岳に源を発した氷沢ひざわ川と合して関川となる。黒姫くろひめ山と新潟県妙高みようこう山との間、両県境を東流し、信濃しなの町赤川で野尻のじり湖から北流する池尻いけじり川を合流して東北に流路を変え、同町柄山からやまから北流して新潟県に入る。

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改訂新版 世界大百科事典 「関川」の意味・わかりやすい解説

関川[村] (せきかわ)

新潟県北東部,岩船郡の村。人口6438(2010)。中央を西流する荒川によって形成された盆地と周辺山地からなり,盆地中央の下関を中心に荒川本支流に沿って集落が分布する。基幹産業は農業であるが,東部の荒川上流は磐梯朝日国立公園の一部をなし,湯量の豊富な荒川温泉郷(鷹ノ巣高瀬,雲母(きら),湯沢の各温泉)を中心にスキー場などの観光開発が進められている。1967年の羽越水害では全村が壊滅的被害を受けたが,荒川の河川改修などが行われ,現在は復興している。下関にある旧渡辺家住宅は近世の大庄屋屋敷として国の重要文化財,庭園は名勝に指定されている。荒川沿いに国道113号線とJR米坂線,南北に国道290号線が通る。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「関川」の意味・わかりやすい解説

関川(村)
せきかわ

新潟県北部、岩船郡(いわふねぐん)にある村。荒川上流、関川盆地にあり、盆地の東西をJR米坂線(よねさかせん)と国道113号(米沢(よねざわ)街道)が通じ、南北に290号が走る。近世は米沢街道の要衝であった。米坂線の沿線には荒川峡温泉郷(えちごせきかわ温泉郷)とよばれる湯沢、高瀬(たかせ)、雲母(きら)、鷹ノ巣(たかのす)、桂の関(かつらのせき)などの温泉群が並ぶ。盆地の中心をなす下関(しもせき)地区は米沢街道の宿場・市場町で、旧本陣問屋場であった渡辺家住宅は国の重要文化財に、同庭園は名勝に指定されている。荒川支流の大石(おおいし)川には大石ダムがあり、湖畔は大石公園、レストハウスなどのある観光地になっている。面積299.61平方キロメートル(境界一部未定)、人口5144(2020)。

[山崎久雄]



関川
せきかわ

新潟県南西部の高田平野を貫流する川。高田の稲田(いなだ)橋より下流は荒川とよぶ。一級河川。長野・新潟県境の妙高(みょうこう)火山群の焼山(やけやま)付近に源を発し、妙高、黒姫(くろひめ)の火山裾野(すその)をうがって高田平野に出、直江津(なおえつ)で日本海に注ぐ。延長64キロメートル。流域面積1140平方キロメートル。谷口の妙高市新井地区あたりで左岸支流矢代(やしろ)川、儀明(ぎみょう)川、右岸では櫛池(くしいけ)川、別所(べっしょ)川、飯田(いいだ)川などが放射状に本流に流れ込み、複合扇状地を形成する。河口付近の支流保倉(ほくら)川は東頸城(ひがしくびき)丘陵から流れ出し、平野部では小蛇行地形、砂丘裏には大瀁(おおぶけ)低湿地を形成する。上流には笹ヶ峰(ささがみね)の多目的ダムがあり、西野、高沢、杉野、池尻(いけじり)、関川など多くの発電所と、工業・飲料用水源に利用されている。下流は工業地域の発達で水銀汚染がひどく、県下有数の汚染河川となっている。

[山崎久雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「関川」の意味・わかりやすい解説

関川
せきがわ

旧称荒川。新潟県南西部,妙高火山群の焼山に発し,高田平野を北流して日本海に注ぐ川。全長約 64km。上流で野尻湖に発する池尻川を合流し,さらに別所川,保倉川,大田切川,矢代川青田川の各支流を合流する。上流の 12の発電所からの電力は上越の工業地区に供給され,さらに水は農業用水として高田平野の穀倉地帯をうるおし,工業用水道として直江津臨海工業地区に供給されている。支流矢代川と関川との合流点から下流を荒川と呼んでいたが,1969年4月に一級河川に指定され,それ以後関川の名に統一された。

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デジタル大辞泉プラス 「関川」の解説

関川

新潟県岩船郡関川村にある道の駅。国道113号に沿う。

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世界大百科事典(旧版)内の関川の言及

【荒川】より

…新潟県北西部の川。山形県南西部の朝日山地大朝日岳に発し,小国盆地を経て新潟県境付近で飯豊山地からの玉川を合わせて西流し,県境で荒川峡谷をつくり,関川盆地で大石川,鍬江沢川,女川を合わせ岩船郡荒川町塩谷浜で日本海に注ぐ。幹川流路延長72.5km,全流域面積1151.4km2。…

【荒川】より

…この谷を国道18号線,信越本線が通じる。高田市街地の稲田橋より上流を関川といい,上流の笹ヶ峰ダムは灌漑の安定に役だっている。また稲田橋下流東岸から取水し工業用水として直江津臨海工業地域に給水する。…

【妙高高原[町]】より

…人口7129(1995)。妙高山南麓にあり,妙高火山群に源を発する関川沿いに集落が点在する。近世には中心集落関川に高田藩の関所が置かれ,田切,二俣とともに北国街道の宿場町として栄えた。…

【鈴鹿川】より

…鈴鹿山脈の那須ヶ原岳(800m)付近から発してほぼ東流し,御幣(おんべ)川,安楽川,内部(うつべ)川の支流を合わせ,四日市市南端で伊勢湾に入る。八十瀬川,甲斐川,関川,高岡川などともいわれる。幹川流路延長38km,全流域面積323km2。…

※「関川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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