荒田神社(読み)あらだじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「荒田神社」の意味・読み・例文・類語

あらだ‐じんじゃ【荒田神社】

  1. 兵庫県多可郡加美町にある神社。旧県社。祭神少彦名命(すくなひこなのみこと)ほか二柱。天平勝宝元年(七四九)の創建という。延喜式内社。播磨国二の宮。

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日本歴史地名大系 「荒田神社」の解説

荒田神社
あらたのじんじや

[現在地名]岩出町森

もり集落の南部に森に囲まれて鎮座する。祭神は天疎向津姫あまさかるむかつひめ命・息長足姫おきながたらしひめ命・応神天皇・高皇産霊たかみむすび尊・剣根つるぎね命。旧村社。「延喜式」神名帳にみえる那賀なが郡三座のうち「荒田神社二座」に比定される。「紀伊国神名帳」には「従四位上荒田神」とみえる。「続風土記」は当社の神体について、荒田直の祖高魂命と剣根命とし、のち摂津国広田ひろた神社(現大阪市浪速区)と同じく、天疎向津姫尊・神功皇后・誉田天皇としたとする。この天疎向津姫尊は天照大神の荒魂とされており、社名の「荒田」と合せ考えると当社は荒神信仰の上に成立したことが考えられる。


荒田神社
あらたじんじや

[現在地名]加美町的場

杉原すぎはら川西岸にある。正一位荒田しよういちいあらた大明神とも称した。「延喜式」神名帳にみえる多可郡「荒田アラタノ神社」に比定される。祭神は少彦名命・素盞嗚命・木花開耶姫命。ただし「播磨国風土記」託賀たか賀眉かみ里の条に道主日女命と天目一命にかかわる荒田の地名説話が記されているので、祭神をこの両神とするほうが古伝であろう。旧県社。当地周辺には鍛冶集団が居住しており、その集団が信奉する神を祀ったと考えられる。「新抄格勅符抄」によれば、天平神護元年(七六五)に播磨国荒田神に封戸四戸を奉るとある。「峯相記」には天平勝宝元年(七四九)の創建と播磨国二宮であることが記されるが、道主日女命の創祀は六、七世紀または奈良時代初期であろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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