日本歴史地名大系 「荻杼古墓」の解説
荻杼古墓
おぎとちこぼ
[現在地名]出雲市荻杼町
斐伊川の左岸、出雲平野全体からみれば中央部ともいえる位置にあり、標高は六メートルである。昭和四〇年（一九六五）圃場整備工事中に発見され、県教育委員会による測量調査が行われた。水田の中に三〇平方メートルばかりの高まりがあり、地目が墓地となっていた所から発見されている。遺構は二メートル四方で深さ二メートルの方形の墓壙を掘り、その底に河原石を三個置いた上に大甕を置いたものである。大甕は扁平な石で蓋をし、墓壙内は粘土を詰め、上面は礫を敷詰め粘土で埋土をしたあと塔婆を建てていたと考えられる。発見品は大甕一、大甕の蓋石一と大甕の中から青磁碗二・青磁皿一・骨片さらに礫一〇〇、破損した石塔である。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報