カルネアデス(読み)かるねあです(英語表記)Karneadēs

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルネアデス」の意味・わかりやすい解説

カルネアデス
かるねあです
Karneadēs
(前214/213―前129/128)

キレネ出身の古代ギリシアの懐疑派哲学者。新アカデメイアを設立した。ストア派独断論としてもっとも強く批判した。ストア派は真理の基準として把握表象をたてたが、水中の棒は曲がって見えるごとく誤った表象も多いはずである。そこで彼は行為を導くために「もっともらしく信じられること」の理解を提出し、真理基準と知識のかわりに、われわれの同意を呼び起こす3段階の確信を据えた。また世界に悪と悲惨のある事実から、ストア学派の神観を批判し、その運命論に対して自由を擁護した。

山本 巍 2015年1月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルネアデス」の意味・わかりやすい解説

カルネアデス
Karneadēs

[生]前214/前213
[没]前129/前128
ギリシア,キュレネ出身の哲学者。第3次新アカデミアを創設し,前 137年まで校長をつとめた。前 155年アテネの使節として他の哲学者とともにローマに派遣された。著書はないが,知識の蓋然性を主張してストア派を攻撃し,その懐疑論的傾向の及ぼした影響は大きい。

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