薬師山(読み)やくしやま

日本歴史地名大系 「薬師山」の解説

薬師山
やくしやま

[現在地名]神林村小岩内

小岩内こいわうちの北方にあり、標高三八六・七メートル。嶽薬師たけのやくし・薬師嶽ともよばれる。山頂に薬師堂があり、貞観三年(八六一)天台座主円仁(慈覚大師)が開峰し、薬師如来釈迦如来阿弥陀如来の金銅仏三体を奉祀したのが始りと伝える。山頂は聖域で、かつら(現関川村)地内には日吉山王宮があった。円錐形で沿岸航行の船の目印には好適の山であったとされ、言伝えでは円仁は京都から日本海沿いに越後へ来て、薬師山を目印に船を下り、あら川筋を陸路出羽国に向かったといわれる。


薬師山
やくしやま

ふな岡山南にあるなだらかな丘陵。伝教大師がこの地に一堂を建て薬師仏を安置したのが山名の由来という。「山州名跡志」は「此山自紫竹北、自鷹峰艮山也、有小堂薬師仏、伝云、昔伝教ノ所開後世破壊ニ及ンデ、彼本尊他ノ有ト成シヲ、近年、医家野間氏此山ヲ求メ、又彼像ヲ得テ建堂安置ス、但吾未拝」と記す。野間玄琢はこの辺りに住んだが、薬師山で薬草の栽培をしたとも伝えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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