薬師峠(読み)やくしとうげ

日本歴史地名大系 「薬師峠」の解説

薬師峠
やくしとうげ

たか(九七九・三メートル)の南、境界未定の現添田町英彦山ひこさんと大分県下毛しもげ山国やまくに町の間にある。この間を結ぶ道は、薬師峠越の道のほか、現京都みやこ犀川さいがわ町の峠からの槻木つきのき道がある。現在はわずかに登山者が通る程度だが、江戸時代は主要通路であった。吉田重房は「筑紫紀行」享和元年(一八〇一)四月二五日条に「山国川より上れは、右の方に一のたかの巣二のたかの巣三の鷹の巣とて三の山見ゆ。是より十丁計り急なる阪路を下れば、(中略)此あたり早や彦山の境内なるべし」と記している。


薬師峠
やくしとうげ

英彦ひこ山と宇佐中津方面を結ぶ福岡県田川たがわ添田そえだ英彦山ひこさんと下毛郡山国町槻木つきのきとの境にある峠。山国川の水源。享和元年(一八〇一)菱屋平七は羅漢らかん(現本耶馬渓町)より英彦山に行く時、この峠を越したらしく、槻木村より「半里計り分入ば、内道山とて中津の殿の御林山あり。けさたちしより、此所迄谷川を五渡り、峠を越えぬ。漸々に山深く分入なり。又半里計にして岩の憩といふ所あり。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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