二つの薬物をいっしょに使った場合,一方の薬物の効果が他方によって修飾される現象をいう。協力作用と拮抗作用とがあり,併用したときの効果が,それぞれの薬物を単独で用いたときの効果の和,もしくは和より大となる場合を協力作用,和より小となる場合を拮抗作用という。
薬物療法においては,しばしば,たがいに協力的に働く薬物を併用して治療効果を高めたり,有毒物質と拮抗的に働く薬物を使って有毒物質による中毒を治療するなどが行われるが,これは薬物相互作用の利用にほかならない。しかしながら,薬物の併用によって予期しない不都合な効果の現れてくる場合も近年知られるようになった。すなわち,相互作用の結果,主たる治療薬の作用が発現できなくなるとか,薬理作用が質的変化を起こして有害な作用が現れるという場合である。このような現象は,厳密には〈有害な薬物相互作用adverse drug interaction〉と呼ぶべきであるが,薬物相互作用の語を,そのまま薬物併用によって起こる有害な効果の発現を意味するものとして使用することもある。
→医薬品
執筆者:粕谷 豊
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…ピラゾロン(ピリン)系薬剤による発疹,ペニシリン系薬剤によるショックなどがよく知られている。(3)薬物相互作用 これには,医薬品相互ばかりでなく,医薬品と食品などとの場合も含まれる。ジギタリス剤とチアジド系利尿剤,サルファ剤と経口糖尿病用薬,モノアミン酸化酵素阻害剤とチーズなどのチラミン含有食品,催眠剤とアルコール飲料などがある。…
※「薬物相互作用」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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