藁半紙(読み)ワラバンシ

デジタル大辞泉 「藁半紙」の意味・読み・例文・類語

わら‐ばんし【×藁半紙】

わらまたは木材パルプ繊維ミツマタコウゾの繊維をまぜていた粗末な半紙ざら紙

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精選版 日本国語大辞典 「藁半紙」の意味・読み・例文・類語

わら‐ばんし【藁半紙】

  1. 〘 名詞 〙 藁の繊維(現在では多く木材パルプ)を、三叉(みつまた)や楮(こうぞ)の繊維にまぜて漉(す)いた粗末な半紙。ざらがみ。
    1. [初出の実例]「藁半紙(ワラバンシ)六切にした」(出典恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉二四)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「藁半紙」の意味・わかりやすい解説

藁半紙
わらばんし

イネの藁を原料とした紙のこと。『正倉院文書』に藁葉紙(わらはがみ)、波和良紙(はわらがみ)などの紙名があるように、すでに奈良時代からみられる。従来の半紙はコウゾ(楮)やミツマタ(三椏)を原料として漉(す)いていたが、明治時代になると、価格の低下が図られて原料に藁を混入するようになった。安価なため紙質は弱いが、一時大衆に受けた。のちにはかわりに木材パルプが用いられるようにもなった。

[町田誠之]

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