…藤原氏北家出身の良房が初めて摂政となり,ついでその嗣子基経が摂政・関白になって以来,この嫡流の子孫が相ついで摂関に補任された。平安時代末,鳥羽天皇の践祚に当たって,天皇の外戚であった大納言藤原公実が,外戚でない摂政はいないとして,前代の関白だが外戚関係がない藤原忠実を退けてみずから摂政に就任しようとしたが,代々摂籙の子孫でない者が摂政になった例はないとしてその願いを排した。以来,天皇と外戚関係はなくとも,代々摂政・関白の子孫が摂政・関白に補任されることになり,鎌倉時代の初め,摂関家が,近衛,九条,二条,一条,鷹司の5家に分立したのちも,摂政・関白はこの五摂家より必ず補任されることになった。…
…藤原忠実が藤原の氏長者(うじのちようじや)として,白河院を中心とする勢力に対抗し,摂関家の威信を高めようとしてその結果,保元の乱が起こったことなどをも考えあわせると,〈やまとだましい〉とは,皇室をも敵に回して対峙する摂関家の政治的能力の属性でもあったともいえよう。 第5の例は《愚管抄》巻四で,著者慈円は摂関家の家筋でもない藤原公実が,ただ鳥羽帝の外舅であるとの理由だけで摂政になりたがったことを非難し,公実が和漢の才に富み,知足院殿(藤原忠実)よりも人柄や〈やまとだましい〉がまさっていて,見識ある人からも賢者といわれた藤原実資などのように思われることもあったのだろうか,と述べている。〈やまとだましい〉が摂関家に固有の精神的属性という面のあったことがうかがわれる。…
※「藤原公実」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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