山川 日本史小辞典 改訂新版 「藤原兼子」の解説
藤原兼子
ふじわらのけんし
1155~1229.8.16
鎌倉前期の女房。従二位。卿三位,のち卿二位と称す。藤原範兼の女。南家。叔父範季(のりすえ)が後鳥羽上皇を養育したことから,上皇の後見というべき女房となる。重要案件の取次役として上皇への影響力が大きく,人事権を掌握。貴族から多大の賄賂を得た。また養育した上皇の皇子頼仁親王を,源実朝の後継者とする約束を北条政子と交した。その権勢のありさまは「愚管抄」に,「京ニハ卿二位ヒシト世ヲ取タリ」とみえる。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報