中井英夫(ひでお)が塔晶夫(とうあきお)の名で発表した長編推理小説。1964年(昭和39)刊。二つの連続密室殺人事件が発生し、それを関係者たちがそれぞれ四つの解釈を施し、8種類のトリックを推理するという構成で、フィルポッツ、バン・ダイン、ノックス、クリスティ、ディクスン・カー、小栗(おぐり)虫太郎などのトリックが縦横に引用されて推理趣味と洒落(しゃれ)にあふれている。読む側が内外の推理小説に通じていれば、それだけさらにおもしろく読める作品で、作者自身はアンチ・ミステリー、反推理小説とよんでいる。本格推理小説を逆手にとったユニークなパロディー。題名はバレリーの詩からとられている。
[厚木 淳]
『『虚無への供物』(講談社文庫)』
1 イソオウギガニ科のカニ。浅海にすみ、甲は丸みのある四角形で、甲幅13センチくらい。全体に黄褐色。甲の縁と脚に太いとげが多数ある。本州中部以南に産し、食用。2 ズワイガニの別名。鳥取・島根地方でいう...