中井英夫(読み)ナカイヒデオ

デジタル大辞泉の解説

なかい‐ひでお〔なかゐひでを〕【中井英夫】

[1922~1993]小説家。東京の生まれ。短歌雑誌の編集長時代に寺山修司らを見いだす。のち創作に専念し、塔晶夫の筆名で発表した「虚無への供物」で評価を得る。「悪夢の骨牌(カルタ)」で泉鏡花文学賞受賞。他に「幻想博物館」「黒鳥の囁き」「光のアダム」など。

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百科事典マイペディアの解説

中井英夫【なかいひでお】

詩人,歌人,小説家。東京生れ。東大言語学科中退。《短歌研究》《短歌》などの短歌雑誌の編集長として,既成歌壇を批判する立場から昭和30年代の前衛短歌運動を支え,塚本邦雄寺山修司などを送り出した。この間の【てん】末は《黒衣の短歌史》に詳しい。小説は,塔晶夫(とうあきお)の筆名で刊行した長編推理小説《虚無への供物》から。その後,《見知らぬ旗》《幻想博物館》などを発表,《悪夢の骨牌(カルタ)》で泉鏡花賞を受賞した。短編に秀作が多い。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

中井英夫 なかい-ひでお

1922-1993 昭和後期-平成時代の小説家。
大正11年9月17日生まれ。中井猛之進の3男。昭和24年から「短歌研究」「短歌」などの編集長をつとめ,寺山修司,塚本邦雄らをみいだす。39年推理小説「虚無への供物」をかき,耽美的・幻想的な作風を確立。49年「悪夢骨牌(カルタ)」で泉鏡花文学賞。平成5年12月10日死去。71歳。東京出身。東大中退。別名に塔晶夫。

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大辞林 第三版の解説

なかいひでお【中井英夫】

1922~1993) 小説家。東京生まれ。東大中退。短歌雑誌の編集長を長く務め、長編推理小説「虚無への供物」など、耽美な幻想小説で異色の作風を示す。著「悪魔の骨牌」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中井英夫
なかいひでお
(1922―1993)

小説家。東京・田端(たばた)に生まれる。東京大学言語学科に在学中第14次『新思潮』を編集する。『短歌研究』『短歌』編集長を経て創作に専念。1962年(昭和37)第8回江戸川乱歩賞に『虚無への供物』を塔晶夫(とうまさお)の名をもって応募、候補作となる。乱歩は「作風は小栗(おぐり)虫太郎を狙(ねら)ったもの」で、「小栗には乏しかった洒落(しゃれ)と冗談に充(み)ちて」いると評した。70年オーストラリアを旅行。『黒鳥の囁(ささや)き』ほか幻想に満ちた作品が生まれる。74年マニエリスム的空間を展開する『悪夢の骨牌(かるた)』によって第2回泉鏡花文学賞を受賞する。ほかに小説『光のアダム』『幻想博物館』『月蝕(げっしょく)領宣言』、詩集『眠るひとへの哀歌』、短歌論集『黒衣の短歌史』などがある。[春日井建]
『『中井英夫作品集』10巻・別巻1(1986~89・三一書房) ▽『別冊幻想文学 中井英夫スペシャル』(1986・幻想文学出版局)』

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