蛋白分解酵素阻害剤(抗酵素剤)(読み)タンパクブンカイコウソソガイザイコウコウソザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説

蛋白分解酵素阻害剤(抗酵素剤)

製品名
《カモスタットメシル酸塩製剤》
カモスタットメシル酸塩(大原薬品工業、共和薬品工業、沢井製薬ダイト、武田テバファーマ、辰巳化学、鶴原製薬、東和薬品、日本ジェネリック、日医工、ニプロ、扶桑薬品工業、富士フイルムファーマ、メディサ新薬、持田製薬
カモタット(小林化工)
フオイパン(小野薬品工業)
ラインタット(コーアイセイ)
リビリスター(武田テバ薬品、武田テバファーマ、武田薬品工業)

 膵炎すいえんの原因となっている、異常に活発化した蛋白たんぱく分解酵素(トリプシンプラスミンなど)のはたらきを抑え、痛みの原因であるオッディ括約筋かつやくきんの緊張をゆるめる作用のほか、血液の異常な凝固を抑える作用ももつ薬です。効果の強い薬で、すみやかに吸収されて炎症や痛みを緩和します。


 とくに、慢性膵炎の急性症状(痛み、吐き気・嘔吐おうと黄疸おうだんなど)の治療に使用します。


 また、術後逆流性食道炎の治療にも用いられます。


①過敏症状(発疹ほっしんかゆみなどのアレルギー症状)、血小板減少症、肝機能異常や黄疸おうだん、高カリウム血症、ショック、アナフィラキシー血圧の低下や呼吸困難など)をおこすことがあります。このような症状がおこったら、使用を中止して、すぐ医師に報告してください。


食欲不振、胸やけ、口の渇き、腹部不快感、便秘下痢、むくみ、白血球・赤血球減少、好酸球増加などをおこすことがあります。このような症状がおこったときは、医師に相談してください。


錠剤で、1日3回、食後服用が原則です。ただし、1日あるいは1回の服用量、服用時間については医師・薬剤師の指示を守り、かってに中止したり、減量・増量しないでください。


 とくにこの薬は、服用中に薬が切れないように、一定間隔を守って使用することが大切です。


 また、服用するときは、十分な水(コップ1杯の水)で飲んでください。


②過去にこの薬で過敏症状をおこしたことのある人には使用できません。また、小児、胃液吸引・絶食・絶飲などの食事制限をしている人の使用には十分な注意が必要です。このような人は、あらかじめ医師に報告してください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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