プラスミン

関連語 血餅

化学辞典 第2版 「プラスミン」の解説

プラスミン
プラスミン
plasmin

EC 3.4.21.7.フィブリノリシン(fibrinolysin)ともいう.エンドペプチダーゼの一種.フィブリンペプチド結合加水分解し,可溶化する作用を触媒する酵素で,血液中に約0.2 mg/mL 含まれている.基質特異性はトリプシンと酷似し,塩基性アミノ酸のカルボキシル基側(Lys-XやArg-X)のアミド結合を切断する.血漿中には不活性な前駆物質プラスミノーゲンとして存在するが,必要に応じて-Arg-Val-結合が切断され,活性型プラスミンとなる.細菌中に存在するストレプトキナーゼ,あるいは尿中に存在するウロキナーゼによって活性化される.ヒト血漿から得たプラスミンは分子量7.5×104,2% 弱の糖を含む糖タンパク質である.活性発現にヒスチジン残基,アスパラギン酸残基,およびセリン残基が関与する.[CAS 9001-90-5][別用語参照]セリン酵素

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プラスミン」の意味・わかりやすい解説

プラスミン
plasmin

フィブリノリジン。フィブリンを溶解する蛋白分解酵素。血漿や組織中に存在するフィブリノキナーゼによって,不活性型のプラスミノーゲンから生成される。フィブリンの溶解は甲状腺刺激ホルモン成長ホルモンによって促進され,副腎皮質刺激ホルモンは抑制的に働く。血漿中のアンチフィブリノリジンはこの溶解作用を直接阻害する。プラスミンはまた,血清グロブリンに働いてキニンを放出させ,炎症を誘発するので,フィブリノキナーゼの阻害剤やプラスミンの阻害剤は抗炎症性物質とみなされている。

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