蛋白質工学(読み)たんぱくしつこうがく(その他表記)protein engineering

精選版 日本国語大辞典 「蛋白質工学」の意味・読み・例文・類語

たんぱくしつ‐こうがく【蛋白質工学】

  1. 〘 名詞 〙 利用価値の高い蛋白質構造を人為的に変え、新しい蛋白質を作り出す技術

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蛋白質工学」の意味・わかりやすい解説

蛋白質工学
たんぱくしつこうがく
protein engineering

天然蛋白質をさまざまに改変したり,全く新しい蛋白質を生産する技術を研究する学問領域。蛋白質は酵素免疫抗体,生体情報伝達物質として生物の活動にきわめて重要な役割を果たしているが,このような蛋白質の特異的な機能医療化学工業エレクトロニクス食品工業など広い分野でより有効に利用することを目的としている。 1983年にアメリカの K.ウルマーによって提唱され,バイオテクノロジーの中心課題の一つとなっている。すでに天然蛋白質の改変 (酵素活性,熱安定性などの改良) では,見るべき成果が上がっている。

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百科事典マイペディア 「蛋白質工学」の意味・わかりやすい解説

タンパク(蛋白)質工学【たんぱくしつこうがく】

プロテインエンジニアリングとも。天然の生物がつくるタンパク質の構造の機能を解析し,人為的な改変を加えた人工タンパク質を分子設計遺伝子工学手法を用いて作り出す技術。遺伝子工学から発展してきた技術の一つで,有用酵素の改良,医薬の開発などに応用されているほか,タンパク質の働きを解明する基礎研究上の重要な手法として,生化学分子生物学で用いられている。
→関連項目プロテアーゼ阻害剤

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知恵蔵 「蛋白質工学」の解説

たんぱく質工学

たんぱく質の構造の一部を人為的に改変して、たんぱく質の機能を改変する技術・研究分野。特定のたんぱく質の遺伝子を改変し、細菌などに導入する遺伝子組み換え手法により、たんぱく質を自由に設計、改造し、大量生産する。天然には存在しない耐熱性たんぱく質などが得られている。

(川口啓明 科学ジャーナリスト / 菊地昌子 科学ジャーナリスト / 2007年)

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