蜾蠃(読み)スガル

デジタル大辞泉 「蜾蠃」の意味・読み・例文・類語

すがる【蜾蠃】

ジガバチ古名
「飛びかける―のごとき腰細に」〈・三七九一〉
鹿の古名。
「―伏す木ぐれが下の葛まきを吹き裏がへす秋の初風」〈山家集・中〉

か‐ら〔クワ‐〕【××蠃】

ジガバチ別名
「―の母は情をめて」〈鴎外渋江抽斎

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「蜾蠃」の意味・読み・例文・類語

すがる【蜾蠃】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 昆虫じがばち(似我蜂)」の古名。また、「はち(蜂)」の異名ともする。
    1. [初出の実例]「海神(わたつみ)の 殿の蓋(いらか)に 飛び翔(かけ)る 為軽(すがる)の如き 腰細に 取り飾らひ」(出典:万葉集(8C後)一六・三七九一)
    2. 「すかるなく秋のはぎはらあさたちてたび行く人をいつとかまたん〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)離別・三六六)
  3. しか(鹿)」の異名。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「すがる伏す木(こ)ぐれが下の葛まきを吹き裏反へす秋の初風」(出典:山家集(12C後)中)

蜾蠃の補助注記

挙例古今和歌集」は一説に鹿の意という。


すがり【蜾蠃】

  1. 〘 名詞 〙 昆虫「はち(蜂)」の異名。→すがる(蜾蠃)。〔仙台言葉以呂波寄(1720)〕

か‐らクヮ‥【蜾蠃・蜾

  1. 〘 名詞 〙 昆虫「じがばち(似我蜂)」の異名。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕

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