ハエを駆除する仕掛け。明治時代の《台所重宝記》には石油を入れたたらいを天井にとまっているハエにかぶせたり,モチの棒を下げるなどの当時のくふうが見られる。同じころ,理髪店やそば屋では,ガラス製の“蠅除け光り珠”をつるすことが流行していた。シュロの葉を短く切ったハエ叩きは簡便で必需品だった。粘着紙に誘引剤を塗付したものがハエ取りリボンで,室内につるしておくとおもにヒメイエバエが取れる。ハエ取り紙は粘着紙を水平に開いて置くものでイエバエが取れる。ガラスや金網製のハエ取り器は,餌を中に置き集まったハエが逃げないようにしたもの。このほか,円筒や円盤に餌を塗付して捕らえる回転式ハエ取り器や天井にとまっているハエをつかまえるためのらっぱ型ハエ取り器なども家庭で使われていたが,最近では見られなくなった。
執筆者:北村 賀世子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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