蠅取り器(読み)ハエトリキ

デジタル大辞泉 「蠅取り器」の意味・読み・例文・類語

はえとり‐き〔はへとり‐〕【×蠅取り器】

ハエを中へ誘い込んで出られないようにした器具 夏》「営々と蠅を捕りをり―/虚子

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精選版 日本国語大辞典 「蠅取り器」の意味・読み・例文・類語

はえとり‐きはへとり‥【蠅取器】

  1. 〘 名詞 〙 蠅をとらえる器具。中に餌を入れ、蠅がはいったら出られないようにつくったもの。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「びん捕器は、東京の蠅捕器(ハヘトリキ)に同じく、唯細長き形に作らる」(出典風俗画報‐二四二号(1901)動植門)

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改訂新版 世界大百科事典 「蠅取り器」の意味・わかりやすい解説

蠅取り器 (はえとりき)

ハエを駆除する仕掛け。明治時代の《台所重宝記》には石油を入れたたらい天井にとまっているハエにかぶせたり,モチの棒を下げるなどの当時のくふうが見られる。同じころ理髪店やそば屋では,ガラス製の“蠅除け光り珠”をつるすことが流行していた。シュロの葉を短く切ったハエ叩きは簡便で必需品だった。粘着紙誘引剤を塗付したものがハエ取りリボンで,室内につるしておくとおもにヒメイエバエが取れる。ハエ取り紙は粘着紙を水平に開いて置くものでイエバエが取れる。ガラスや金網製のハエ取り器は,餌を中に置き集まったハエが逃げないようにしたもの。このほか,円筒や円盤に餌を塗付して捕らえる回転式ハエ取り器や天井にとまっているハエをつかまえるためのらっぱ型ハエ取り器なども家庭で使われていたが,最近では見られなくなった。
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