精選版 日本国語大辞典 「表向・面向」の意味・読み・例文・類語
おもて‐むき【表向・面向】
〘名〙
① 表立つこと。公然たること。正式なこと。おおやけ。
※評判記・色道大鏡(1678)一「真夫(まぶ)〈略〉表向の買手にあらずして、密通する男をいふ」
※翁問答(1650)上「おもてむきばかり義理だてをして、心には財宝利欲立身のみむさぶりぬるを下とす」
※浮世草子・好色一代女(1686)一「惣じて大名は面(オモテ)むきの御勤めしげく」
④ 公的な事柄や機関。官辺。そのすじ。また、それにかかわる事態。特に裁判沙汰。訴訟。公事(くじ)。
※浮世草子・世間娘容気(1717)一「或時町内檜物屋へ壱貫五百匁の預け銀不埒につき、『近日表向(オモテムキ)へおねがひ申』とのとどけによって」
※浮世草子・好色五人女(1686)三「万(よろづ)にかしこき人もがな跡を預けて表(オモテ)むきをさばかせ」
※酌并記(1532‐70頃)「昔は書院おもてむきの座敷にはすみを立て置なり」
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