袋持(読み)ふくろもち

精選版 日本国語大辞典 「袋持」の意味・読み・例文・類語

ふくろ‐もち【袋持】

〘名〙
① 袋を持つこと。集めた金や、所用のものを入れた袋を持って主人のあとにつき従うこと。また、その従者。袋かつぎ。
※俳諧・鷹筑波(1638)一「たび人どのをみれば大こく 両替のあとにさがれる袋(フクロ)もち〈長次〉」
② 特に、宿直物(とのいもの)などを入れた上刺袋(うわざしぶくろ)の類を持参する従者。
武家名目抄(19C中か)職名部付録「袋持 今川大双紙云主人の御袋を持事」
③ (大国主命が袋を負い従者として兄弟神の後についたという「古事記」の話からという) 何をしても人に遅れをとる者。
※古事記伝(1798)一〇「事功の人に後るる者を、世俗に袋持ちといふも」
老年まで疱瘡(ほうそう)にかからない人。この人の股(また)をくぐると、疱瘡にかからないという俗信があった。袋かつぎ。
※談義本・八景聞取法問(1754)一「又百人に壱人袋持(フクロモチ)と云てのがれる抔といふ」
⑤ (疱瘡にかからないと肌が美しいところから) 美人のことをいう。
※雑俳・桜の実(1767)七「したく金取って行のはふくろ持」
⑥ (貰い物や拾い物を入れる袋を持つところから) 乞食をいう。
賤者考(1855頃)「又浜の名は籠持ふくろ持手桶嚊などいふもあり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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