裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(読み)さいばんがいふんそうかいけつてつづきのりようのそくしんにかんするほうりつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律
さいばんがいふんそうかいけつてつづきのりようのそくしんにかんするほうりつ

平成16年法律151号。通称 ADR法。裁判によらない紛争解決手続の利便の向上をはかることによって,紛争当事者が解決にふさわしい手続きを選択することを容易にし,国民の権利利益の適切な実現に資することを目的とする(1条)。紛争当事者の自主的な紛争解決の努力の尊重,法による公正かつ適正な紛争解決の実施,第三者の専門的な知見を反映して紛争の実情に即した迅速な解決をはかることなど,裁判外紛争解決手続 ADR; Alternative Dispute Resolutionの基本理念(3条),ADRの利用促進に関する国・地方自治体の責務(4条)を一般的に規定する。しかし,これらの総則規定以外は,ほとんど民間紛争解決手続業務に関する規定であり,民間型 ADR利用促進法という性質が強い。民間事業者の行なう和解仲介調停斡旋)の業務について,弁護士の関与や暴力団員などの排除など,その業務の適正を確保するための一定の要件に適合していることを法務大臣が認証する制度を設け(6,7条),この認証を受けた民間事業者の業務について,時効中断訴訟手続の中止などの特別の効果を与えている(25,26条)。

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