西ケープ州(読み)にしケープ(英語表記)Western Cape

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西ケープ州」の意味・わかりやすい解説

西ケープ〔州〕
にしケープ
Western Cape

南アフリカ共和国南西部の州。州都は国の立法府所在地のケープタウン。アフリカ大陸最南端に位置し,西は大西洋,南はインド洋に面する。1994年までケープ州の一部。大陸南部の広大な内陸高地草原(ハイベルト)の南端をなす切り立った岩の断崖が,北部の北ケープ州との境界に沿って伸びる。カルー台地の南と西に海岸地帯が細長く広がり,南西部のケープ半島南端に喜望峰,その北部にテーブル山がある。植生は多様で,州域の一部はケープ植物区保護地域群(2004年世界遺産の自然遺産に登録)に属する。海岸部は海洋性気候,北部の大半は地中海性気候(温帯冬雨気候)で,最北部は半乾燥気候。人口の約半分は混血で,黒人が 4分の1,白人が 5分の1を占める。アフリカーンス語が最も多く使われ,コーサ語と英語がそれに次ぐ。羊毛コムギ,果物および国産ワインの主産地として知られるほか,ダチョウの飼育でも有名。大西洋沿岸では漁業や缶詰製造が盛ん。繊維や自動車製造,造船などの工業も行なわれる。ケープタウンの北方沖約 10kmにあるロブン島は,アパルトヘイト時代の刑務所(現在は博物館)があったことで知られ,1999年世界遺産の文化遺産に登録。面積 12万9462km2。人口 535万6900(2009推計)。

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